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抗体作製受託サービスの注意点

抗体

弊社では、抗体作製の受託サービスを提供しておりませんが、多くのお客様からお問合せを頂きます。 そこで、抗体作製受託サービスの参考となる一般的な情報をまとめましたので、ご活用ください。

モノクローナル抗体作製受託サービスの流れ

マウスの場合の基本的なサービスの流れを下に示します。一般的には、Step By Stepで、進めてゆくことになります。
すなわち、Step Backはできません。ステップごとに価格をWebサイトに明示してある良心的な企業があります。

<ステップ 0> 抗原性分析・調製
目的分子に対する抗原性分析を行います。(無償のケースが多いですが、その質に注意が必要です。)
抗原の調製を行います。(通常、10万円前後)
<ステップ 1> 動物に免疫
抗原1種類につき数匹のマウスへ免疫を行います。
予備飼育実施後、免疫を4回から5回実施します。
従来法の場合、ELISAによる力価チェックをし、細胞融合のため、抗体力価の上昇をモニターします。最終的に、上昇しない場合、ここで抗体受託サービスは終了になります。リンパ節法の場合、一般的にELISAによる力価チェックは行いません。
<ステップ 2> 融合・陽性ウエルを確認
力価確認後、細胞融合を行います。(マウス2匹からの2つの脾臓細胞を混合して融合させる場合があります。)
数枚(96ウエル)程度で培養後、ELISAスクリーニングを実施し、陽性ウエルの有無をチェックします。陽性ウエルが無い場合、ここで抗体受託サービスは終了になります。
<ステップ 3> 評価サンプル送付
反応した陽性培養上清のうち、抗体価上位10個程度の上清を調製後、評価用サンプルとして送付します。
(評価用サンプル数は、抗体受託サービス企業により、かなりばらつきがあります。)
<ステップ 4> お客様の評価
お客様による評価・判断(1,2週間程度)をします。
通常、最適なもの(2から3ウエル程度)を選びます。良いものが無い場合、ここで抗体受託サービスは終了になりますが、さらに別の免疫動物を融合後に評価用サンプル(陽性培養上清)を送付してもらうことが可能な企業があります。
<ステップ 5> クローニング・納品
限界希釈法によるクローニングを5枚(96ウエル)程度で実施します。
その後、培養を行って、力価上位のクローン(数個程度)の培養上清と抗体産生細胞(ハイブリドーマ)、サブクラスチェックデータを納品します。(これで終了とする抗体受託サービスは、良いサービスではありません。)
<ステップ 6> お客様の最終評価
納品クローンを決定するために、ご自分の実験系における評価・判断をします。実験系に合うクローンが見つからない場合、ステップ3で確保した別の陽性ウエルの評価用サンプル(培養上清)を送付してもらうことが可能な企業があります(ステップバックサービス)。
<延長ステップ>
不満足な結果の場合、相談して、次の策を練ります。

比較すべき項目

免疫動物・抗体作製技術
基本的に、マウスでのモノクローナル抗体作製が主流です。実績のある脾臓細胞を使用した従来法や、比較的新しい腸骨リンパ節法などが提供されています。ファージディスプレイ法を応用したin vitroでの抗体作製技術や、組み換えワクシニアウイルスによる抗体作製方法を提供している抗体受託サービス企業もあるようです。
終了基準
モノクローナル抗体作製の基本として、終了(完了)基準は重要です。多くの企業がELISA試験を検定基準にしています。一方、研究者が行う実験系は様々で、必ずしも満足する反応性を確保できるとは限りません。終了基準を自社試験だけに置かず、研究者の評価も考慮したクローンの確立に協力してくれる抗体受託サービス企業が好ましいと言えます。
陽性Wellの確保数
従来法と腸骨リンパ節法では、細胞融合後に確保する陽性Wellの数も重要のようです。確保する陽性Wellの数に比例して、クローニングをやり直す機会を増やすことができます。良質なクローンの選択肢を増やす意味でも各抗体受託サービス企業の方針を確認してみてください。
失敗時の請求
多くの抗体作成受託企業で失敗時に割引料金を設定していますが、その幅は20%から70%と差は大きいようです。また、成果保証している企業もあり、安心して依頼できる体制をとっていますが、前提条件が厳しいようです。失敗のリスクは、終了基準に対する抗体作製受託企業の考え方と関係してきます。保証と終了基準のバランスを重視した抗体受託サービス企業の選定が重要と言えます。
必要抗原量
一匹当たり100μg から500μgまで幅があるようです。抗体作製受託サービスの技術力の一つの指標になります。
抗原性分析
タンパク質、ペプチド、ハプテン、cDNAなど、実験に必要な抗原条件を提示している抗体受託サービス企業があります。
抗原性分析は、無償で行っている企業が多くあります。
納期
納期は作製方法にほぼ依存します。脾臓細胞を使用した従来法だと約6ヶ月、腸骨リンパ節法だと約3ヶ月です。研究者が満足する反応性を確保できることと、この納期はしばしば異なります。(終了基準と失敗時の請求を参照ください)
納品産物
培養上清の量、クローンの数で各抗体作製受託企業の設定が異なります。また、多くの企業で大量培養が別メニューになっていますので、確認が必要です。