サイトメトリー関連試薬・抗体・サポート製品

細胞機能に基づくアレルギー試験 Allergenicityキット

好塩基球のアレルゲン反応性をフローサイトメトリーで評価!

Allergenicityキットは、好塩基球の特異的マーカーであるCD203cの細胞表面における発現強度が、好塩基球の活性化に伴って増強することを利用する、細胞機能に着目した新しいアレルギー試験の試薬キットです(研究用)。

CRTH2(CD294)-FITC/CD203c-PE/CD3-PC7の3カラーで好塩基球を確実にゲーティング!!

好塩基球は末梢血中にはごく少数しか存在せず、その散乱光特性(スキャッターサイトグラム上の位置)がリンパ球や単球に近いため、CD203c-PEのみを用いたシングルカラー測定では好塩基球集団の判別が難しい場合が少なくありません。AllergenicityキットはCD203cにリンパ球の大部分を占めるTリンパ球のマーカーであるCD3と、好塩基球を はじめとした炎症細胞表面に発現するCRTH2(CD294)を組み合わせることで、好塩基球のより確実なゲーティングを可能にしています。

Allergenicity kitによる末梢血好塩基球の3カラー測定例(雑草花粉エキスにて刺激)

  • ① 全白血球にゲートを設定。→ CD3-PC7/SSCプロットに展開
  • ② CD3陰性領域にゲートを設定。→ CRTH2(CD294)-FITC/SSCプロットに展開
  • ③ CRTH2(CD294)、CD203cダブルポジティブの細胞集団が好塩基球(活性化に伴いCD203c蛍光強度が増強します)。
  • ④ 好塩基球をヒストグラムに展開(横軸:CD203c-PE)。

ヘパリン血、EDTA血のどちらでも測定可能です。

好塩基球の活性化はCa2+依存性のため、一般的に好塩基球の活性化実験にはEDTA採血した血液は使用することができませんでした。Allergenicity kitではキット内にCa2+リッチの活性化バッファーを同梱しており、EDTA採血した血液でも好塩基球の活性化を検出することが可能です。このため、小児検体など採血量が少量に限られるような場合でも、一般血液検査の残検体を利用して測定可能です。

Allergenicity Kitによる末梢血測定例

(データ提供:(独)国立病院機構 三重病院 臨床研究部 長尾みづほ先生、徳田玲子先生、野間雪子先生、藤澤隆夫先生)

Allergenicity Kitは、即時型アレルギー反応をin vivoに近い形で、かつ簡便に評価できる新しいキットと考えられます。私たちはスギ花粉症において、抗原特異的に好塩基球表面におけるCD203cの発現が増強することを確認しました(下図)。この発現増強の程度(MFI値の変化)は重症度とよく相関する可能性もあり、現在検討中です。
鶏卵アレルギー患者でも卵白およびオボムコイドによって鋭敏にCD203cの発現が増強されます。食物アレルギーでは特異IgE抗体価が必ずしも症状と一致しないことはよく知られていますが、このキットによる反応は食物負荷試験による誘発症状とより相関する可能性があります(データ未掲載)。

スギ花粉症測定例

EDTA採血したスギ花粉症(スギRAST:クラス4,総IgE値:130U/mL)全血に、治療用標準化スギ花粉エキスを添加して好塩基球の活性化を検出(CRTH2-FITC/CD203c-PEのドットプロット上にて、活性化好塩基球を赤でペイント)。ヒストグラム中の陽性率(%)は、全好塩基球に対する活性化好塩基球の割合。

ネガティブコントロール(PBS添加)ポジティブコントロール(a-lgE抗体にて刺激)

テストサンプル(スギアレルゲンエキスにて刺激)

Allergenicityキット概要
CRTH2(CD294)-FITC/CD203c-PE/CD3-PC7の3カラーで好塩基球を確実にゲーティング!!

好塩基球は末梢血中にはごく少数しか存在せず、その散乱光特性(スキャッターサイトグラム上の位置)がリンパ球や単球に近いため、CD203c-PEのみを用いたシングルカラー測定では好塩基球集団の判別が難しい場合が少なくありません。Allergenicity KitはCD203cにリンパ球の大部分を占めるTリンパ球のマーカーであるCD3と、好塩基球をはじめとした炎症細胞表面に発現するCRTH2(CD294)を組み合わせることで、好塩基球のより確実な同定を可能にしています。

サンプル調製手順ダイジェスト

適切に設定されたFCMにて測定

Gallios

Gallios

※ アレルゲンエキス及びPBSはキットには含まれません。別途ご用意ください。

CD203c

CD203cは、ecto-nucleotide pyrophosphatase/phosphodiesterase(E-NPP)ファミリーに属する膜型酵素で、細胞外ヌクレオチドの分解に関与します。好塩基球及び肥満細胞に特異的に発現しますが、特に好塩基球に おいては、細胞の活性化に伴ってCD203cの発現強度が速やかに増強します*1,2)。

CRTH2(CD294)

CRTH2はNagataらにより見出された7回膜貫通型の細胞表面 Gタンパク質共役受容体で、プロスタグランジンD2レセプタとして機能します。好塩基球のほか、Type2 T細胞や好酸球、その他の炎症細胞膜表面に発現します*3)。アトピー性皮膚炎やHIV感染症患者末梢血において、CRTH2陽性細胞の比率が健常者と比較して優位に上昇していることも報告されています*4)。

  1. Buhring H-J, et al. : Blood 97(10) : 3303-3305, 2001
  2. Boumiza R, et al. : Clin. Exp. Allergy 33 : 259-265, 2003
  3. Nagata K, et al. : J. Immunol. 162 : 1278-1286, 1999
  4. L. Cosmi, et al. : Eur.J. Immunol.30: 2972-2979, 2000

Allergenicityキット 製品仕様

製品番号 容量 価格(税別) データシート
A17116 100サンプル分* ¥99,800 データシート

*キットで測定サンプル100本分の調製が可能です。
ネガティブコントロール及びポジティブコントロールの立て方によって、測定可能な検体数は変動します。

<製品内容>

1. CRTH2 (CD294)-FITC/CD203c-PE/CD3-PC7 3カラー抗体 ------------- 2mL×1バイアル
2. ポジティブコントロール試薬(a-IgE抗体:凍結乾燥品) --------------------- 0.2mg×1バイアル
3. 活性化バッファ --------------------------------------------------------------- 5mL×2バイアル
4. 反応停止液 -------------------------------------------------------------------- 10mL×1バイアル
5. 溶血試薬 ---------------------------------------------------------------------- 100mL×3バイアル
6. 固定試薬 ---------------------------------------------------------------------- 10mL×1バイアル

機器調整(感度設定、蛍光補正)用の試薬及び刺激に使用するアレルゲン試薬はキットに含まれませんので、別途ご用意ください。
また、アレルゲン試薬については、弊社での取り扱いはございません。あらかじめご了承ください。

<その他注意事項等>

  • 必要に応じて、測定に使用するフローサイトメーターの光学フィルタ設定を適切に変更してください。
    なお、FITC、PE及びPC7の最大蛍光波長は下記のとおりです。

    ※ Cytomics FC500をご使用の場合は、光学フィルタ設定の変更は必要ありません。
        EPICS XLの場合、下記フィルタキット等によりフィルタ構成を変更してください。

    ・PC7フィルタキット: 製品番号 6915493  価格 ¥134,000
      励起波長(nm) 最大蛍光波長(nm)
     FITC 488 530
     PE 488 575
     PC7(PE-Cy7) 488 767

  • CRTH2(CD294)及びCD203c抗体は、PE標識のシングルカラー抗体もございます。

    ・CRTH2(CD294)-PE: 製品番号 A07413 容量 100テスト 価格 ¥69,000
    ・CD203c-PE: 製品番号 IM3575 容量 100テスト 価格 ¥69,000