今日のフローサイトメーターは、マルチレーザ・マルチカラー化が加速しています。
しかし、マルチカラー解析の蛍光補正を行うときの問題点の一つとして、各蛍光標識抗体で蛍光補正を行うサンプルを用意しなければならず、細胞が十分量用意できない場合や陽性コントロール細胞を用意することができない場合、正確な蛍光補正を行うことは難しいことでした。
今回、ベックマン・コールターは、各蛍光標識抗体を使って細胞を使わずに蛍光補正をサポートする試薬を発売します。
蛍光波長図
マルチカラーでは、各蛍光色素間の蛍光漏れこみを
正確に補正する必要があります。
蛍光ビーズを使用して蛍光補正を標準化する方法では、ビーズの自家蛍光が細胞と異なったり、ビーズに結合している蛍光色素の波長分布と細胞に結合している蛍光標識抗体の蛍光色素の波長分布が異なったりしたため、実用性に問題がありました。その後改良され、ビーズに一次抗体のキャプチャー抗体を結合させたビーズを用いて、実際に使用する蛍光標識抗体で標識することでより実際の波長分布による蛍光補正ができるようになり、ビーズを使用することで、貴重なサンプルを使用せず、さらに、サンプルの抗原発現量に依存することなく蛍光補正ができるようになりました。しかし、ビーズに結合させるキャプチャー抗体により使用できる一次抗体の動物種やアイソタイプに制限や405nmレーザ自家蛍光が高くなってしまうなど問題点が残っていました。
今回、ベックマン・コールターから発売されるV e r s a Comp Antibody Capture Bead Kitは、これらの問題点を解決しました。VersaComp Antibody Capture Bead Kitは、さまざまな動物種の抗体およびアイソタイプをキャプチャーでき、フローサイトメーターで最もよく使用される青(488nm)、赤(638 / 640nm)、紫(405nm)レーザでも細胞に近い低い自家蛍光レベルを示します。
VersaComp Antibody Capture Bead Kitは、マルチカラーの蛍光補正の標準化に最適です。
原理
① ネガティブビーズとキャプチャー抗体を結合したポジティ ブビーズを実際に使用する蛍光標識抗体でサンプルと同 様に染色し、測定します。
② 自動蛍光補正機能のあるフローサイトメーターの場合 は、自動で蛍光補正をかけます。自動蛍光補正機能を使 用しない場合は、マニュアルで蛍光補正を設定します。
製品番号 | 製品名 | 容量 | 価格(税別) | データシート |
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B22804 | VersaComp Antibody Capture Bead Kit ・1x5mL Negative Bead 1x5mL Positive Bead |
100テスト | ¥25,000 | ![]() |