MoFlo Astrios EQを用いた海洋プランクトン測定例

MoFlo Astrios EQは、2つの高感度前方散乱光検出器(eFSC)を搭載しています。eFSCは、最少0.2 μmの大きさの微細粒子を検出することが可能です。
eFSCの特徴を生かしたアプリケーション例として海洋プランクトンの検出をご紹介します。

Prochlorococcus marinus
1988年にSallie W. Chrisholmにより発見・分類されました。南緯40度から北緯40度に分布するシアノバクテリアで、およそ0.2 μm(~0.6 μm)の大きさの球形をしています。
フィコエリスリン(PE)をほとんど持たず、光合成色素としてジビニルクロロフィルa/bを有する点が特徴的です。
地球規模での炭素循環で主要な役割をはたすProchlorococcusを理解するために多くのグループが研究をしています。

図1Prochiorococcus marinusの測定例
eFSC-1にThresholdを設定し、明確にノイズと分離することができます。
eFSC-1とeFSC-2を同時使用するDual FSC解析をすることで、前方散乱光のわずかな違いを認めることができます。


Emilianina huxleyi
円石藻は海洋性の植物プランクトンで、世界中の海洋に広く分布しています。細胞直径は5-100 μm程度で光合成を行う独立栄養生物で、炭酸カルシウムからなる特徴的な円盤状のプレート(ココリス、円石)によって細胞が覆われています。
また、円石藻はブルームと呼ばれる大規模増殖を起こし、地球規模の炭素循環に多大な影響を及ぼす重要な海洋プランクトンであることが知られています。

図2Emilianina huxleyiの解析例
SSC-Height-LogにThresholdを設定し、ダブレット除去、死細胞除去を行います。
Dual FSC解析を行うとE.huxleyiライフサイクルとして3種類の細胞集団を確認することができます。