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Hoechst33342を用いた生細胞におけるeGFP発現と細胞周期の2カラー解析

高分解能型フローサイトメーターCell Lab Quanta SC MPLを用いたGFP発現細胞における細胞周期の解析プロトコールについて述べます。Cell Lab Quanta SC MPLでは、細胞体積と側方散乱光、488 nmレーザおよび水銀アークランプ(励起波長366 nm、405 nm、435 nm)による複数の励起波長を利用した3カラーの蛍光測定ができます。さらに、488nmレーザによって励起される蛍光色素(eGFPなど)とUVによって励起される蛍光色素(DAPIなど)の同時検出が可能です。

細胞膜浸透性のDNA結合色素であるHoechst 33342を利用すれば固定および透過化処理なしで生細胞中のDNA含量を測定でき、発現した細胞中のeGFPの分解を最小限に抑えられます。eGFP cDNAをトランスフェクションした細胞を、Hoechst 33342 20 μg/mLを添加した細胞培養用培地中で45分間、37℃で培養した後に、Quanta SC MPLによって分析しました。
eGFPの励起には488 nmレーザーを、Hoechst 333342の励起には355/37BP蛍光フィルタを取り付けたHgアークランプを使用しました。図1には、Hoechst 33342およびeGFPを検出するための光学フィルタの配置を示しています。

図1.蛍光フィルタの配置
図1.蛍光フィルタの配置
Note:Chroma社が提供しているリフレクター(製品番号Float Glass-25 mm)を利用すれば、側方散乱(SS)が測定できます。

eGFPの蛍光は525/30BPフィルタを使用してFL2で、Hoechst 33342蛍光は465/30BPフィルタを使用してFL1で検出されます。ごみを排除するため、FL1のトリガーによってデータ収集を実施します。PMT電圧設定および蛍光補正を適切に行ない、Hoechst 33342によるeGFP発現細胞または非発現細胞中での細胞周期の解析が可能です(図2)。

図2.eGFP発現細胞または非発現細胞の細胞周期の解析
図2.eGFP発現細胞または非発現細胞の細胞周期の解析
  • (A)
  • eGFP陽性細胞(GFP+)および陰性細胞(GFP-)の1パラメータヒストグラム。
  • (B)
  • eGFP/Hoechst 33342のドットプロット(横軸Hoechst 33342、縦軸eGFP)。大部分のeGFP陰性細胞(eGFP-)はDNAやeGFPが分解された死細胞またはアポトーシス細胞であるために、G0/G1下の領域にあります。
  • (C)
  • eGFP陽性細胞の細胞周期の解析。細胞周期解析ソフトウエアを用いて、各期の割合を算出。


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