DxFLEXとDry試薬 DURACloneを用いたT細胞サブセットの測定

DURAClone IM T cell subsets Tube は、CD45RA、CD197、CD28、CD279、CD27、CD4、CD8、CD3、CD57、CD45で構成されたヒトT細胞サブセットを検出するためのキットです*。この試薬は抗体がプレミックスされFCM用チューブ底に固相化された状態で提供されます。サンプル調製のワークフローを簡素化し、Hands-on Timeを最小限にすることが可能です。

コンパクトクリニカルフローサイトメーターDxFLEXはコンパクトなデザインながら、107 スケールのダイナミックレンジを持ち、自動精度管理、自動蛍光補正機能をもつ優れたフローサイトメータです。これらの試薬と機器を使い、マルチカラーでありながら簡単かつ、正確なデータ取得が可能となります。

*本製品は研究用試薬です。疾病の診断の目的で使用することはできません。



はじめに

免疫反応を研究する場合、T細胞を媒介した免疫が中心的です。 T細胞は胸腺で成熟した後、CD197(CCR7)などのリンパ節ホーミング抗原を発現するナイーブT細胞として、血液およびリンパ系内を循環します。二次リンパ組織の特殊な抗原提示細胞との遭遇により外来抗原にさらされると、T細胞はCD27の喪失およびCD28の発現に関連する抗原特異的エフェクター細胞になります。

エフェクター細胞とともに、セントラルメモリーT細胞(CD45RAーCD197(CCR7)+)およびエフェクターメモリーT細胞(CD45RAーCD197(CCR7)ー)に分化され、迅速な抗原特異的免疫応答を行い維持します。

T細胞分化の最終段階は、CD57(エフェクター表現型)およびCD279(PD-1 )(共同抑制分子、exhausted phenotype)発現のアップレギュレーションによって示されます。

DURAClone IM T cell subsets Tube は、CD45RA、CD197、CD28、CD279、CD27、CD4、CD8、CD3、CD57、CD45で構成されたヒトT細胞サブセットを検出するためのキットです*。この試薬は抗体がプレミックスされFCM用チューブ底に固相化された状態で提供されます。サンプル調製のワークフローを簡素化し、Hands-on Timeを最小限にすることが可能です。

コンパクトクリニカルフローサイトメーターDxFLEXはコンパクトなデザインながら、107 スケールのダイナミックレンジを持ち、自動精度管理、自動蛍光補正機能をもつ優れたフローサイトメータです。これらの試薬と機器を使い、マルチカラーでありながら簡単かつ、正確なデータ取得が可能となります。

*本製品は研究用試薬です。疾病の診断の目的で使用することはできません。


TCM=セントラルメモリーT細胞、TEM=エフェクターメモリーT細胞、naïve=ナイーブT細胞、EMRA=エフェクターT細胞、early=早期 、late=後期 、intermed.=中間 、exhausted=疲弊 、terminal=T細胞分化の最終


DURAClone IM T cell subsets Tube

FITC PE ECD PC5.5 PC7 APC Alexa
Fluor 700
APC-Alexa
Fluor 750
Pacific
Blue
Krome
Orange
488/523 488/575 488/613 488/692 488/760 633/650 633/720 633/775 405/455 405/528
CD45RA CD197 CD28 CD279 CD27 CD4 CD8 CD3 CD57 CD45



サンプル調製手順

  1. 転倒混和等で攪拌した新鮮な全血サンプル100 μLをDuraClone IM T cellチューブに添加します。
  2. 6 ~ 8 秒、よく攪拌します。
  3. 20 ~ 30℃、15分、暗所でインキュベートします。
  4. 2 mL の VersaLyse溶血剤を添加し、 1 ~ 3 秒でよく攪拌します。
  5. 20 ~ 30℃、15分、暗所でインキュベートします。
  6. 200 xg、 5分間の遠心分離後、上清を除き、ペレットをほぐします。
  7. 3 mLのPBSを添加し、200 xg、5分間の遠心分離後、上清を除き、ペレットをほぐします。
  8. 0.1%ホルムアルデヒド加PBSを500 μL添加し再浮遊します。
    - 0.1%ホルムアルデヒド加PBS作製法 -
    1 mL のPBS に1 2 .5 μ L のIOTest®3 Fixative Solutionを添加。


機器調整手順:Compensation セットアップ

  1. 蛍光補正用単染色サンプルを調製します。
      • Compensation KITの10色のシングルカラーチューブに100 μLの新鮮な全血を添加します。
      • 6 ~ 8秒、よく攪拌します。
      • 20 ~ 30℃、15分間、暗所でインキュベートします。
      • 2 mLのVersaLyse溶血剤を添加し、 1 ~3秒よく攪拌します。
      • 20 ~ 30℃、15分間、暗所でインキュベートします。
      • 200 xg、 5分間の遠心洗分離後、上清を除き、ペレットをほぐします。
      • 3 mLのPBSを添加し、200 xg、5分間の遠心分離後、上清を除き、ペレットをほぐします。
      • 0.1%ホルムアルデヒド加PBSを500μ L添加し再浮遊します。
  2. DxFLEXを立ち上げ、精度管理を行います。
  3. Compensation Experimentを作成し、1)で作製したシングルチューブを使用して感度と蛍光補正を設定します。
  4. Panel Experimentを開きます。
      • 表示するプロット図を作成します。
      • 3で作成した感度と蛍光補正値をチューブに適応します。
      • サンプルを流しながらスレッショルドを設定します。
      • Stop Conditionを設定します。
  5. DxFLEXでデータを取得します。


データ解析方法

  1. CD45-KOとSSのドットプロットを作成し、白血球領域を(CD45+領域)を囲むリージョンを作成します(Leukocyres)。
  2. 1で作成したLeukocytesゲートを再度CD45-KOとSSのプロット図に展開し、リンパ球領域を囲います(Lymphocytes)。
  3. 2で作成したLymphocytes 領域をCD3-APC-A750とSSプロットに展開し、CD3陽性領域を囲います(CD3+)。
  4. 3のCD3+ 領域をCD4-APCとCD8-AF700のプロット図に展開します。
  5. CD4 + T細胞とCD8 + T細胞をゲートします(CD4+、CD8+)。
  6. 5で作成したCD4+ゲートやCD8+ゲートを次の4つのドットプロットを作成し、展開します。
      • CD57-PBとSSのプロット図を作成します。CD57陽性領域を囲うようにリージョンを作成します(CD57+)。
      • CD279(PD1)- PC5.5とSSのプロット図を作成し、PD -1 +領域を囲います(PD-1)。
      • CD45RA-FITCとCD197(CCR7)-PEプロット図を作成し、四分割リージョンを作成します。
        CD197(CCR7)+ CD45RA-:Central Memory
        CD197(CCR7)+ CD45RA +:Naive
        CD197(CCR7)- CD45RA-:Effector Memory
        CD197(CCR7)- CD45RA +:Effector
      • CD28-ECDとCD27-PC7のプロット図を作成し、四分割リージョンを作成します。
        CD27 + CD28- 細胞
        CD27 + CD28 +細胞
        CD27 - CD28 +細胞
        CD27 - CD28- 細胞
  7. 必要に応じて追加のプロットを作成し、%やMFIを表示します。


解析方法





DxFLEXでの末梢血測定例




参考文献

  1. S. Vigano, M. Perreau,G, G. Pantaleo, and A. Harari. Positive and Negative Regulation of Cellular Immune Responses in Physiologic Conditions and Diseases. Clinical and Developmental Immunology. Volume2012, Article ID 485781.
  2. Frans P. Nijkamp, Michael J Parnham (eds.), Principles of Immunopharmacology: 3rd revised and extended edition. Springer Basel AG.2011.