精製HLA 抗原をコーティングした直径2~4μmのマイクロビーズに結合する抗HLA抗体を、FITC標識抗ヒトIgG Fcγで蛍光標識して、フローサイトメーター Cytomics FC500で測定しました。血清中の抗HLA Class ⅠまたはClass Ⅱ抗体の存在の有無の確認、及び%PRAの測定用キットFlowPRA™(株式会社ベリタス http://www.veritastk.co.jp/)を用いて測定した例です。
Memo
HLA抗体は、臓器移植、造血幹細胞移植、血小板輸血不応答、輸血副作用(TRALI)などに関連して測定されています。従来はLCT法(リンパ球細胞毒性試験)あるいはAHG-LCT法(補体非依存性のHLA抗体も検出できる方法)が行われてきましたが、いずれも新鮮ヒトリンパ球を用いるためパネルの確保や細胞のViabilityの維持が難しく、操作も煩雑であるといった課題がありました。
マイクロビーズを用いFCM法を測定原理としたことで、FlowPRA™は、簡便な操作で高感度かつ同一LOTでの検体処理が可能です。
30種類の異なるパネル抗原を結合したHLA Class Ⅰビーズ、同じく30種類の異なるパネル抗原を結合したHLA Class Ⅱビーズ、および非特異的反応確認用のコントロールビーズの3種類(すべて580nm付近の蛍光を持つビーズ)を混和したものに、被検血清を反応させた後、2次抗体FITC標識抗ヒトIgG Fcγで染色し、HLA抗原と反応した血清中のIgGをFITC蛍光強度で検出します。
Class Ⅰビーズ(赤色表示)、ClassⅡビーズ(青色表示)、コントロールビーズ(水色表示)は、ほぼ同じ大きさを持ち、580nm付近の赤色の蛍光波長で、それぞれ異なった蛍光強度を持っています。前方散乱光と赤色蛍光で2パラメーターヒストグラムを作成し、各ビーズの集団にゲートを設定し、それぞれのゲート内のFITC蛍光(緑色蛍光)の陽性率を測定します(FlowPRAわずかな蛍光強度の変化を測定する必要があります。そのため、ネガティブコントロール用のビーズのピーク位置を100~101の間に設定するようにしてください)。
ClassⅠビーズにゲート
Controlビーズにゲート
Controlビーズの位置が動かないことを確認します。
ClassⅡビーズにゲート
Controlビーズにゲート
Controlビーズの位置が動かないことを確認します。
ClassⅠビーズにゲート
ClassⅡビーズにゲート
Controlビーズにゲート
Controlビーズの位置が動かないことを確認します。
ClassⅠビーズにゲート
ClassⅡビーズにゲート
Controlビーズにゲート
Controlビーズの位置が動かないことを確認します。