FCMのための精度管理入門

Ⅲ.フローサイトメトリーにおける誤差要因

Ⅱ.の 精密性と正確性でも述べたとおり、測定値は真値と測定誤差の合計値と考えることができます。また、測定誤差は大きく系統誤差と偶然誤差の2つに分類することができます。系統誤差はいつも必ず同じように起きる誤差であり、たとえばサンプル調整に使用しているピペットの校正誤差や感度設定値の誤差などが考えられます。一方の偶然誤差は、毎測定時に発生し得る様々な誤差要因を指しており、いわば予測不可能な突発的に発生する誤差要因と考えることができます。

フローサイトメトリーによる測定においては、機器の感度設定や蛍光補正といった機器のコンディショニングに測定者の主観が入り込みやすいという点があり、また解析対象とする細胞集団を決めるゲーティングの部分でも主観が入り込みやすいという、他の測定方法とは異なる特殊性があります。これらの点は、「測定者に依存した誤差」という点で、系統誤差および偶然誤差の双方の要因になりえます。したがってフローサイトメトリーによる測定値には、他の機器分析よりも様々な誤差要因の入り込む余地が大きく、またその原因を特定し難い点があるということができます。

※ 感度設定やゲーティングなどは、測定者毎に異なる可能性があります。