蛍光試薬の特性と応用

7.細菌染色色素

化学式

細菌数を測定する方法として、一般的には、寒天平板法が用いられるが長時間の培養を必要とすることから、迅速検査法への要求は大きいものがある。迅速検査法としては、PCR法やLAMP法等の遺伝子増幅法や、核酸を蛍光染色することで全細胞数を求める方法も存在するが、これらの手法では死細胞も計数される。
生きている細胞のみを数えるためには、生細胞選択的に検出する手法が必要となる。一般的手法として、呼吸活性を指標としたCTCによる蛍光染色と、エステラーゼ活性を指標とする
6-carboxyfluorescein diacetate (6-CFDA) による蛍光染色がある。何れも生細胞染色法だが、指標が異なるため、細胞の計数値に差が生じる。
CTCは、呼吸活性に伴う電子伝達系の作用でCTC formazan (CTF) に還元され、水に不溶性となり細胞中に蛍光性沈澱として蓄積する。CTC自体は水溶性で、水溶液中で無蛍光である。一方、CTFは粘性の低い溶液中では蛍光を持たないが、粘性の高い溶液中や固体状態では赤色蛍光を発する。
試料とインキュベートした後、蛍光顕微鏡下に計数するか、フローサイトメトリーで分析する。核酸染色試薬と併用して全菌数と生菌数を計数したり、fluorescence in situ hybridizationと併用して特定種の生細胞数を選択的に計数するなどして、より高度な情報を得ることも可能である。