FCMの原理入門講座

Ⅵ.光学検出系

5.検出器

前方散乱光検出器

一般的に前方散乱光(FS)は、側方散乱光(SS)や蛍光(FL)に比べて、かなり強い光なので、シリコンフォトダイオードを検出器として使用しています。シリコンフォトダイオードは強い光に対して感知しますが、大きな細胞の場合、シリコンフォトダイオードの前にNDフィルタ(ニュートラルデンシティフィルタ:光の強さを低減するフィルタ)を置いて、光の強度を下げることが必要です。

側方散乱光と蛍光検出器

側方散乱光(SS)と蛍光(FL)の検出器は、高感度のPMT(Photo multiplier tube:光電子増倍管)を使用します。PMTは、光電陰極、ダイオードおよび陽極で構成されています。光電陰極は、光を受けると電子を放出する光電性材料でできています。陰極より放出した電子は、PMTにかけている電圧に従いダイオードを通る間に電子の量を増し陽極に達します。同じ量の光子が陰極に入る場合でも、PMT電圧が高いほど多くの電子が陽極に達し、検出器の感度は高くなります。PMT電圧の直線的増加に対して、感度は指数関数的に増加します。光の各種波長に対するPMTの感度は、光電陰極の組成によって決まります。
通常のフローサイトメーターのPMTの感度範囲は200nm~800nmです。
フィルタブロックでは、フィルタの設定により、光を特定の波長に分離し、目的の検出器に送り込みます。
フィルタ設定は、使用する蛍光色素等により、最適なフィルタに変更することが重要です。

PMTからの電流は、パルス処理のために電圧パルスに変換されます。このパルスの大きさは、次の2つによって変わります。
-入ってくる光の量(光の強さ)
-PMTに加える電圧(HV:ハイボルテージ)の量

PMT電圧(0~2000V)はサンプルに応じて合わせます。