Ⅵ.光学検出系(2) 検出系

Ⅵ.光学検出系

2.検出系

細胞がフローセル内でレーザー光を通過するとき、細胞はレーザー光を散乱させ、標識した蛍光色素から蛍光を発します。 レーザー照射位置が、フローセルの中心でなかったり、フローセル内の流れが乱れていると、感度や分解能が悪くなり、測定データをまったく取得できないことがあります。そのため、レーザー照射位置とフローセルの位置、検出器の位置、そして層流を常に維持することが重要です。位置がズレた場合は、光軸調整が必要になります。

    

 

一般的に前方散乱光(FS)は、側方散乱光(SS)や蛍光に比べ強い光で、フォトダイオードを検出器として使用しています。散乱せずにフローセルを通り直進してきたレーザー光は、検出器に入る前に、ビームマスクによりブロックされます。 フォトダイオードは、光を受けると電流を生じます(これは太陽電池と同じ材料です)。この電流は、パルス処理のために、電圧パルスに変換されます。 大きな細胞がレーザー光を通過すると大きなパルスがでます。

 

蛍光色素は、ある波長を吸収し、その高エネルギー光(短い波長)を、より低いエネルギー光(長い波長)に変換します。各蛍光色素は、それぞれ特有の励起波長分布と発光波長分布を持っています。すなわち、一定範囲の光波長を吸収し、一定範囲の波長の放射光(蛍光)を発します。

 

ほぼ同じ励起波長を持つ2種類または3種類の蛍光色素(但し、発光スペクトルは異なっている)を使い、同時に数種類の細胞特性を測定することができます(多重染色)。波長の異なる2つのレーザーを使えば、使用できる蛍光色素の範囲が広がります。2種類の励起波長を持つことになるからです。 側方散乱光(SS)と蛍光(FL)を検出するには光を集め、目的の波長を分離し、該当する各検出器に集光しなければなりません

 

まず、フローセルから側方散乱光(SS)と複数の蛍光(FL)を一緒に集光レンズで集めます。