初めてFCMを使う方のために

 初めてセルアナライザー、セルソーターを操作される方のための注意点です。

4つのポイント

gallios
  • 1. あらかじめ蛍光顕微鏡でサンプルを見て来てください
  • 2. FCMデータは、相対値です。だからコントロールを忘れずに
  • 3. FCMは詰まることがあります。凝集物対策とシャットダウン操作
  • 4. 市販のリンパ球様細胞で、まずは機器操作の練習を

1. あらかじめ蛍光顕微鏡でサンプルを見て来てください。

前方散乱光と側方散乱光のサイトグラム
前方散乱光(FS)と側方散乱光(SS)
のヒストグラム例

機器の測定条件の設定に重要なことです。
FCM(セルアナライザー、セルソーター)では、細胞を目視することはできません。あくまで、ヒストグラム上の点で表されるだけです。それが、目的の細胞なのか、ゴミなのか、凝集物なのか、死細胞なのか、なかなかそれだけではわかりません。
事前に、測定する細胞(付着細胞の場合は、分散させた後)を顕微鏡で見ることで、生死、細胞の大きさの目安、細胞数の目安、蛍光染色性の情報が手に入ります。今日のアナライザーやセルソーターは、各自の実験の設定(感度蛍光補正ノイズカットレベルなどの機器設定と、ヒストグラムやゲートなどの解析条件)を記憶できます。また、リンパ球のサブセット解析の設定は、通常、公開されています。この公開されている設定(プロトコールファイル)を利用して、初めて測定をすることになります。したがって、リンパ球と比べて、どのぐらいの大きさなのかが重要な情報になります。ただし、前方散乱光のデータは、直径がリンパ球の2倍になると、そのプロットが2倍の位置に来るわけではありません。大体、1.5倍から2.5倍ぐらいです。
ご自分のサンプルの前方散乱光と側方散乱光の感度を、リアルタイム表示されたヒストグラム(サイトグラム)を見ながら調節します。

2. FCMデータは、相対値です。だからコントロールを忘れずに。

正しいFACSデータ
正しいコントロールのデータ例

蛍光強度のデータも、相対値です。したがって、免疫蛍光測定や蛍光タンパク測定の場合、コントロール(陰性コントロール)がないと、蛍光の感度を調節することができません。 実験によっては、陽性コントロールや、2カラー以上の場合は蛍光補正のための単染色サンプルが必要になります。
また、セルサイクル(細胞周期)の場合は、内部標準物質(インターナルスタンダード)が必要になります。
コントロールのヒストグラムデータの無いデータは、対照の無い実験と同じです。
正しくないFACSデータ


3. FCMは詰まることがあります。凝集物対策とシャットダウン操作。

セルアナライザー、特にセルソーターの場合、細い流路をサンプルは通過して行きます。流路径より大きいものは、詰まります。詰まりは、しばしば除去困難な場合があります。
100ミクロン以上または70ミクロン以上のものが含まれる可能性がある場合は、 直前のメッシュ操作が必要になります。凝集しやすいサンプルは特に注意が必要です。
また、測定終了後に、機器のマニュアルに沿ったシャットダウン操作をしないと、流路に付着物が溜まることになり、詰まり易くなります。

4. 市販のリンパ球様細胞で、まずは機器操作の練習を。

2カラーヒストグラム

実験の貴重なサンプルを無駄にしないために、まずは、市販されている標準細胞を用いて、抗体染色をされ、機器のディスクリミネーター設定や感度調整操作、蛍光補正操作ゲーティング操作に慣れることをお薦めいたします。市販されているFCM解析ソフトウェアのデモ版を用いて、解析の操作に慣れるのも一手だと思います。

Kaluzaソフトウェアによる蛍光補正の操作例(右上のヒストグラム)
Kaluzaソフトウェアによる蛍光補正の
操作例

参考