細胞には、見た目は同じでも機能の異なるさまざまな細胞があります。フローサイトメトリーではこうした機能の異なる細胞を解析できますが、このときに細胞表面に存在する目印を利用します。この目印は目視による形態観察ではわかりません。
例えば、リンパ球サブセットは、その機能に応じて、自身が持っている機能に特異的な目印(分子)を持っており、これら目印の多くはCD番号(CD3、CD4、CD19…など)によって分類されています。CDはCluster of Differentiation の略です。
フローサイトメトリーの基本的なアプリケーションの多くは、CD分子に代表される、こうした細胞表面の目印を探索(細胞の機能を調べる)することと言うことができます。
ただし、細胞表面の分子はすべてがCD番号を持っているわけではなく、MHCやTCRなど、それぞれに独特の呼び方を持っているものも少なくありません。こうした分子を総称して、non-CD分子(抗体の場合はnon-CD抗体)と呼ぶこともあります。
CDとは細胞表面に発現している機能分子(目印)をクラスター分類して通し番号で整理したもので、これは国際会議HLDAで評価された結果であり、世界共通のナンバリングです。