検査室のためのFCM検査の基礎

Ⅰ. 免疫系とは?

血液細胞の重要な役割の1つは、免疫です。免疫は、一言で言えば体を守るためのシステムです。体の外から侵入してきた自分の体にとっての異物を排除する働きや、がん細胞に代表される自分の体の中で発生してしまった異常細胞の除去といった重要な働きをしています。白血球には、こうした異物の排除や異常細胞の除去、あるいは異常細胞の発見など、いろいろな働き(機能)を持ったいろいろな種類の細胞からなります。これらの細胞を、免疫細胞と呼ぶことがあります。白血球5分類の中のリンパ球は、免疫系の中心に位置する、免疫系の主役の役割を担う血液細胞です。

好中球(免疫細胞のひとつ)が菌を食べる=貪食

例えば、体の中にばい菌(異物)が侵入してきた場合、白血球のうち顆粒球に分類される免疫細胞のひとつである好中球が、こうしたばい菌を自身の中に取り込んで(貪食)殺菌してくれます。生体は常にいろいろな外敵の侵入や攻撃を受けているわけですが、好中球のこうした働きも、病気の発病を抑える仕組みの1つとして活躍しているわけです。

もう1つの代表的な免疫の働きに、生体の外から侵入した異物ではなく、自身の体の中で発生した異常な細胞を除去する働きがあります。
例えば、体の中にがん細胞ができてしまった場合、リンパ球の1つであるNK細胞と呼ばれる細胞が、がん細胞に対して攻撃をしかけ、がん細胞を除去するという働きがあります。
このNK細胞による刺激によって、がん細胞はアポトーシスと呼ばれる状態に陥ります。アポトーシスは細胞の自殺プログラムと呼ばれる重要な細胞生物学の現象の1つです。

体の中にガンができたら・・・