CD184抗原(CXCR4、Fusin)は、細胞膜を7回貫通するGタンパク共役受容体(GPCR)です。CD184(CXCR4)の生理的リガンドは、CXCケモカインの一つで、単球とリンパ球の遊走を強く誘導するstromal cell-derived factor-1(SDF-1)です。一方、CD184(CXCR4)分子は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)が標的細胞内に侵入する際にCD4-gp120の複合体に関連してコ・レセプタとなることが示されています。同様の機序は、HIV-2株でも確認されています。SDF-1/CXCR4のペアは、神経系の発達にも関わっている可能性があります。他のケモカインレセプタと異なり、CD184(CXCR4)はかなり広範な分布を示し、免疫系や中枢神経系において、様々なCD4+もしくはCD4-細胞に発現しています。血液中では、CD184(CXCR4)は、好中球、単球、樹状細胞、NK細胞、B細胞、T細胞、そして血小板に強く発現しています。CD184(CXCR4)の発現は、リンパ球の活性化に伴い急速に(30秒)上昇し、引き続き速やかに(2分以内)細胞内に移行します。したがって、CD184(CXCR4)は、白血球の細胞内に多量に検出されます。新鮮血中の好酸球と好塩基球はCD184(CXCR4)の発現を欠きますが、グルココルチコイドによる好酸球のex vivo活性化や好塩基球のSDF-1処理によって、CD184(CXCR4)発現が誘導されます。GPCRの一つであるCXCR4とSDF-1の結合で、rasやPI3キナーゼ等のシグナル伝達経路が惹起されます。SDF-1/CXCR4結合の効果には、AP-1などの転写因子やケモカインの調節遺伝子の活性化があります。JAK/STAT経路もSDF-1/CXCR4のシグナリングに役立っていると考えられます。
アプリ ケーション |
クローン (アイソタイプ) |
標識 | 容量 | 形状 | 製品タイプ | 用途 | 製品番号 | 価格 | 体診 | データ シート |
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B,C HLDA7 |
12G5 (IgG2aマウス) |
PE | 100テスト | 液状 | IOTest | FCM | A07409 | ¥72,500 |
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溶血させた正常全血サンプルでリンパ球に
ゲート。
CD19と二重染色。
12G5抗体は、SDF-1で誘導される細胞遊走や細胞内カルシウム流入を部分的に阻害します。
この抗体は、主にCD26LowCD45RA+CD45RO-の休止期ナイーブT細胞を染色します。12G5抗体は、第7回HLDAにおいてCD184に分類されています。