CD85k (ILT3) 抗体

CD85k抗原(ILT3)は、Immunoglobulin (Ig)-Like Transcripts (ILT)、もしくは Leucocyte Ig-like Receptors (LIR) 、Monocyte / Macrophage Ig-like Receptors(MIR)としても知られています。ILTは、NK細胞やT細胞サブセット、全ての末梢血B細胞など骨髄系細胞とリンパ系細胞両方に発現するILT2(CD85j)を除き、単球、マクロファージ、樹状細胞(DC)、顆粒球に発現しています。ILTファミリー分子は、ILT6を除き全て膜貫通タンパク質で、抑制型(ILT2、3、4、5、LIR8)、活性化型(ILT1、LIR6a、7、細胞質部分がFcRγと会合するLIR83)、可溶化型(ILT6)の3タイプに分類されます。CD85k抗原(LIR-5、HM18)は、構成的にリン酸化された、60kDaの膜貫通タンパク質です。ILT2やILT4とは異なり、ILT3はHLA-A、-B、-G1分子に結合しません。ILT3のリガンドは不明ですが、研究からILT3が抗原の取り込みや提示、CD11b、CD16、MHC-クラスII分子などの刺激受容体を介して惹起された抗原提示細胞(APC)の機能的反応の負の調節等の機能的特性を持つことが指摘されています。ITIMを介した一時的もしくは永続的な抑制シグナルの伝達は、恒常性や免疫寛容を調節する制御機構の一つと考えらます。 ILT3は単球及びDCでCD8+CD28-サプレッサーT細胞による制御を受けず、この2つのAPCに免疫寛容性を誘導していることが示されています。


Clone: ZM3.8 Isotype: IgG1 Mouse

ZM3.8抗体は、ILT3遺伝子を導入したT細胞から55kDaのタンパク質、単球から60kDaのタンパク質をそれぞれ免疫沈降します。

製品モデル