2.操作方法
【2】細胞像の観察(マーカー検査の基本)
調整した浮遊細胞液を用いて、標本を作成する。標本の作成は、サイトスピンを用いると便利であり、およそ2×106/mLの濃度で70~100μLで作成する。細胞像の観察では、①異形細胞の有無と割合、その特徴 ②混在する細胞の系統およびサイズの把握 ①、②から、散乱光サイトグラムでの分布領域とその領域に混入する細胞の割合を予測し、検索すべきマーカーの選択と組み合わせ、さらに解析ロジックを選択する。
Cytospin標本の作製と染色
- 1.サンプルチャンバーのセット
- 濾紙の裏面(穴の平らな方)をガラス側とし、密着させる。
その上にサンプルチャンバーを濾紙の穴に重ならない様に中央にセットする。
- 2.細胞液の調整
- 細胞液の調整には、細胞数や蛋白濃度に気を付ける。
-
- 1)
- 細胞数
細胞の大きさにより異なるが、比重遠心分離後で赤血球をほとんど含まない場合
・リンパ球位の大きさ:約2~3x106/ml
・顆粒球などやや大型細胞:約1~2x106/ml
(RBCの混入程度により適宜細胞数を調整する)
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- 2)
- 蛋白濃度(細胞破壊を防ぐ)
アルブミンを終濃度0.1~1.0%に保つ。細胞数が少ない場合は特に蛋白が必要である。 赤血球が多い時は,アルブミンは少なくて良い。
- 3.遠心による標本作製
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- 1)
- 細胞液量:70~100μL
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- 2)
- 遠心条件:600~800rpm、2~3分
- 4.ライト染色
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- 1)
- 標本の乾燥
遠心後,直ちに標本を風乾する、(風乾は数秒で十分であるが,赤血球混入時はやや長めにする)
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- 2)
- 染色
メルクのライト液を2ml載せ、直ちに1/150M・pH6.4リン酸緩衝液を2ml追加して混和する。4~5分で水洗し、乾燥する。
(赤血球の混入程度により、
5~8分と適宜調整する)
- ※ ライト染色は顆粒,核の染色が短時間で可能である。