フローサイトメーターによる悪性リンパ腫の解析 -A to Z-

1. はじめに

【4】フローサイトメトリーと関連検査(FCMは検査の司令塔、検索の方向性を示せ)

悪性リンパ腫は、病理組織・免疫組織検査のほか、染色体やFISH検査、抗原受容体遺伝子再構成検査、EBVやATLウイルス遺伝子の組み込み検査など分子・遺伝学的検査を駆使し、総合的に判断して診断と治療方針を決定する。中でもフローサイトメーターを用いた造血器腫瘍マーカー検査は、最も早く検査結果を出すことができるため、その他の検査において検査項目の絞り込みや優先順位を決める参考データとなる。

つまり表面形質の結果は勿論、フローサイトメトリーによる腫瘍細胞の大きさや全体に占める割合、DNA indexなどは染色体分析やFISH検査における細胞観察に極めて有用である。いわば検査の司令塔である。また、細胞量が少ない場合には、造血器腫瘍マーカー検査の残りの“染色済みの細胞”であっても、PCR法による遺伝子検索やサイトスピン標本の作製によりFISH検査の実施も可能である。

このように検査の司令塔であるFCMは、検索の方向性を決定することことができ、時間と経費の削減、さらに材料の効率的な利用を可能とする。