現状の不満点・問題点
フローサイトメーターは、懸濁状態のサンプル1個1個にレーザーなどの光を照射し生じた、散乱光と蛍光を同時に測定する光計測装置です。蛍光測定に関しては、励起光の種類を増やすマルチレーザーシステム、多重染色法に対応するマルチカラー検出系、さらに高精度蛍光漏れ込み補正ADCなど数々の改良がなされてきました。一方、形態情報である散乱光測定に関しては、大きさの目安である前方散乱光測定と、70年代後半に開発された側方散乱光測定の2つが、現在までほとんど改良されることなく使用されています。前方散乱光による細胞サイズ情報は、通過方向、細胞の表面の状態や、核や顆粒などの内部構造、溶液(シース液)の屈折率などの影響を受けるため、細胞サイズの相対的な比較の目安として使用されているに過ぎません。例えば、前方散乱では、単球が顆粒球よりも小さくなります。わずかな形態変化を利用してアポトーシス細胞を検出することや、細胞の大きさ当たりの蛍光量(蛋白量や核DNA量の密度)を正確に求めることも不可能です。
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光・コールター同時検出法の原理
粒子(細胞)の大きさを、もっとも正確に測定する方法は、粒子を三次元で計測するコールター原理(電気抵抗法)とされております。これは、弊社の創業者W.H.Coulterが発明した方法で、細孔に電流を流し、その細孔の中を通過する粒子の体積に比例して電気抵抗が変化するのを検出します。通過方向、粒子の形状、色、屈折率に影響されません。
私たちは、このコールター原理を前方散乱光の代わりに用いる方法を考案しました。シースフロー方式コールター電気抵抗法による細胞容積の精密定量測定と、従来の光照射による蛍光測定を、同時に測定する斬新な光・電気ハイブリッド検出系を開発しました。
特殊な形状をしたフローセルの入り口と出口に、電極を配し、電流を流します。サンプルは導入ノズルから出て、シースフローで絞り込まれ、フローセルの中心を一列に流れます。フローセルの中央部(最狭部)では、光が照射され、蛍光が測定されます。同時に最狭部では電流密度が高くなり、コールター原理による細胞容積の精密粒度分布測定がなされます。
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Quanta SC : ハイブリッド照射系とハイブリッド検出系
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特徴
- 従来の前方散乱光では不可能な、正確な細胞サイズ(球相当径)の粒度分布(ミクロン目盛)を測定できる
- 今まで不可能であった細胞容積の定量値が求められる
- 高精度な単位容積当たりの蛍光パラメータ(抗原密度や核密度に相当)が取得できる
- 蛍光方向のみの光学系になるので、光学系のアライメントが単純化でき、微調整が自動化できる
このように今までになかった高分解能型のフローサイトメーターが誕生します。
このハイブリッド検出系は、高分解能型フローサイトメーターのコアテクノロジーとして、新製品Cell Lab Quantaに搭載されております。
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<ニジマスの赤血球と4ミクロンビーズを混合させて測定>
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光・コールター同時検出系の細胞容積のデータ
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従来の前方散乱光のデータ
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(青色:ニジマス赤血球 緑色:4ミクロンビーズ)
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<コールター細胞容積(横軸)と側方散乱光(縦軸)のデータ>
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<細胞容積当たりの蛍光量の解析データ>
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核容積当たりの核DNA量の測定データ RFCパラメータ
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Region
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Diameter (µ) |
MCV (µ3)
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DNA
Channel |
RFC (FL/µ3)
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細胞数 |
割合(%) |
| 1 |
7.6 |
231 |
219 |
0.95 |
1,796 |
36% |
| 2 |
8.9 |
370 |
201 |
0.54 |
3,217 |
64% |
RFC:Relative Fluorescence Concentration
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| 核密度RFC= |
Mean チャンネル(蛍光) |
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| MCV(平均細胞容積) |
注)裸核処理をすれば、平均核容積を測定できるため、核容積当たりの核DNA量を求めることが可能です。
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