FCMの原理入門講座

ソーティング系

1. ソーティングの原理 アニメーションはこちら

ソーティングの原理 説明図細胞分取の機能を持ったセルソーターでは、サンプル/シース流は上から下へ流れて行くように設計されており、層流のままフローセルの先端にある70から100ミクロン程度のノズルから飛び出して落下します。
細胞分取を行う場合には、フローセルの外へ出たサンプル/シース流が途中から液滴(ドロップ)になるように、トランスデューサ(振動子)を用いてフローセル全体 (またフローセル内部)に25〜100kHz前後の上下振動を与えます。シース圧(通常10から20psi、最大100psi)が常に一定の安定したフロー系の場合、液滴になる位置(ブレイク・オフ・ポイント)は与えられる振動の振動数(kHz)と振幅(%)にのみ依存します。レーザー光照射部で、細胞は検出され、ソートリージョンを用いた分取条件に基づいて、「分取する細胞かどうか」ソート論理回路で瞬時に判別されます。その後、細胞は下に向かって流れて行き、液滴になる直前に、電解質溶液であるシース/サンプル流全体に+または−の荷電をし、その時点で液滴になった液滴に荷電します。その後、液滴は±6000Vの2枚の偏向板の間を落下します。+に荷電した液滴は−極板側に、−に荷電した液滴は+極板側に引かれ、細胞補集部にある左右の試験管に補集されます。荷電していない液滴は、垂直に落下し、通常は捨てられます。試験管ではなく、マイクロタイタープレートの各ウエルに、1個ずつ任意の異なる細胞を分取することができるオプション装置もあります。


通常のシステムでは、目的の細胞が含まれる液滴だけではなく、前後の液滴にも同じ荷電をかけ、分取の確実性を向上させます。この仕組みをソートモードと呼び、前後の液滴1個ずつに荷電する場合は3ドロップソートと呼び、3滴ずつ偏向させ確実な分取を行います。3ドロップソートは、前後の液滴に、他の細胞が含まれている場合、純度優先モードならば3滴すべてに荷電しません。これを、同時通過アボート機能と呼び、純度を向上させます。

3ドロップソート
同時通過アボート機能 説明図
2ドロップソート
同時通過アボート機能 説明図
目的の細胞を含む液滴
● 目的外の細胞を含む液滴
○ 空の液滴
細胞がレーザー照射されてからブレイク・オフ・ポイントに至るまでの時間を、ディレイ タイム(Delay Time)と呼びます。安定した分取を行う上で重要なポイントは、ブレイクオフポイントが安定し、ディレイタイムが常に一定であることです。そのためには層流の速度の安定が不可欠です。層流の速度はシース液の圧力に依存するので、シース液の圧力をモニタしてリアルタイムでフィードバックコントロールする自動制御システムが有用です。 さらに、大気圧の変動と、液温の変化による粘度の変動の影響を受けます。これらの変動に対処するために、液滴形成状態を画像処理技術を用いて安定化させることが可能となりました(SortLOCK無人ソーティングシステム)。 細胞補集部やサンプルラインなどは、滅菌してソーティングを行います。シース液には、滅菌PBSが最適ですが、細胞によりますが、細胞補集部にある左右の試験管に十分な量のメディウムをあらかじめ入れておけば、通常使用しているFCM専用シース液でも、問題がないケースもあります。補集に使う試験管は、帯電しにくいガラス製の試験管が適しています。
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